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これが必要最低限!手っ取り早くて有効なOJT

後輩の指導・育成方法がわからない

後輩の指導・育成方法がわからない
OJT担当者

何をどのように教えるのかがよくわからない

いつ誰が何をすればよいのかわからない

どう接すればよいのかがわからない

OJT担当者を取り巻く環境は、決して恵まれたものとは言えません。新人の育成を任されたものの、“仕事の教え方を教えてくれない”という状況が、多くの職場でまかり通っているからです。理由としては、OJT担当者を任命する権限を持つ管理職は、概ね人材育成が“得意なタイプ”である場合が多いからと目されます。それは管理職に求められる大切な能力の一つだからです。そのぶん、誰に教えられたわけでもないものの、それなりに自分はできたので、部下もまあ大丈夫だろうと思ってしまう人がいます。悪気はないぶん、余計にたちが悪いパターンです。
もちろんプレイヤーとして優秀な人材を選んだりはするのでしょうが、それと教えるのがうまい下手は、また別の話です。またそういう人材には概ね、業務の負荷が偏りがちなので、忙しくて指導の時間が充分に取れない、という問題も引き起こします。

もう一方でOJTの担当者を決めず、誰ともなく何となく指導育成をしているケースも珍しくありません。管理職は日常的に細々と教えてもらったり、わからないことを相談したりする相手としては、立場や年齢の格差で新人が物怖じしてしまうため、残念ながら適任とは言い難いでしょう。メンバー全員が新人の状況に目配せし、連携を図って面倒を見れるだけの、チームワークを兼ね備えているなら、問題はありません。しかし、そうでない場合は最悪、新人に誰もまとまった仕事を教えないので、雑用係のアルバイト扱いに陥ってしまいます。また逆にロクな指導なしで仕事を投げっぱなしにして、新人が路頭に迷う場合もあります。早期退職が多い職場に、よく見受けられる光景です。

準備が心もとなくても新人はやってくる

OJTを成功させるための王道は、組織全体で目的を決め、入念に育成計画を練り、しっかりPDCAを回していくことです。でもそのためには幹部層が一枚岩で動く必要があります。人事部長がやろうとしても、生産部門の部長が現場の負荷など色々と理由をつけて反対し、結局は相も変わらずノープランというパターンは、ありがちな話です。反対する本音の理由は、先ほど述べたような、「そんなに改まらなくてもできるだろう」という思いや、シンプルに計画ごとが面倒くさいというズボラ根性、あるいはその掛け合わせなどが挙げられます。
現実に目を向けると、少子化の影響で若手の人材は絶対数が不足していく上に、概ね面倒見の良い家庭環境で育ったため、取扱いがデリケートで、採用と定着は難しくなる一方です。そのしわ寄せは結局、末端の現場の負荷として現れます。上層部が重い腰を上げるまで、待っているわけにはいかない課題です。現場側で、何とか戦力化するしかありません。
OJTを成功させるPDCA
前置きが長くなりましたが、新人を迎え入れる準備も環境も整っていない中で何とかする方法の話に入ります。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」。連合艦隊司令長官として真珠湾攻撃を成功させた、山本五十六の名言ですが、これには以下のような続きがあります。「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」。
たったこれだけの言葉で、人材育成の全体像や要件を漏れなく網羅できていて、まさに名言です。
この日本で生まれたトレーニングのセオリーは、先ほどの“新人を迎え入れる準備も環境も整っていない中”であっても、OJT担当者の一存で実践できるのが、素晴らしいところだと、私は思っています。ちゃんと実践すれば、新入社員を雑用係のアルバイト扱いするような事態には、絶対になりません。

実は営業の育成現場で部分的に取り入れられる

この教えが最も有効に活かされるのは、営業現場ではないでしょうか。
相手あっての仕事であるあるため、一概なことが言えず、教えるのが難しい営業職の新人育成で、定番化しています。

  1. 先に飛び込み訪問をやってみせ
  2. 「挨拶から去る」までの流れとポイントを言って聞かせて
  3. 横について本人に一通りさせてみせ
  4. できたところはほめて改善すべき点を指摘し期待を伝える
  5. 定着するまで見守りフォローする

3までは同行営業で日常的に行われている光景です。ただし、一人で回れるレベルに育てる上では、4の「期待を伝える」から5の「定着するまで見守りフォローする」が肝になります。しかしその実践状況は、個人ごと、そして企業ごとに差があるのではないでしょうか。できていないとすれば、それは「画竜点睛を欠く」状況と言わざるを得ません。期待を伝え見守るコミュニケーションを通じて、培われる信頼関係こそが、新人が育ち花開くための土壌に当たるからです。

「頻発!OJT最大の難関とは?」でも、他部門との打合せに新人も参加してもらい、まずOJT担当者が「やってみせ」れば良いとお伝えしました。それを何度か繰り返した上で、いよいよ新人をメインに打合せを進めてもらう、つまり「させてみせ」るのです。OJT担当者はフォロー役に回り、しっかり見守ってあげてください。いかがでしょう。まずは「新人を迎え入れる準備も環境も整っていない中」でも、これなら実践できそうだと感じてくだされば幸いです。
とはいえ、新人とお付き合いする時間は長くなるため、負荷は高まります。その問題を解決するためには、やはり組織ぐるみで取り組めるよう、事前に計画を立てる必要がありますので、上の理解と協力を得ることができれば、なお良しです。

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