OJTはOn-the-Job Trainingの略です。従って指導する側も、その仕事に現役で取り組んでいる人が殆どなので、出来る限り効率的に行いたいのが本音でしょう。しかし実際には、新人の成長に差し障りがでる逆効果な指導が、無自覚に行われている模様です。負荷を和らげるためには、そんな「今すぐやめるべき指導方法」を知っておくことが、最も効果的と言えます。抑えどころは下記の3つです。
新人にとって職場の仕事には、覚えにくい仕事と、覚えやすい仕事があります。OJTではまず前者を取り除くことです。続いて仕事の進捗を遅らせるべくして遅らせてしまう、下手な仕事の任せ方を慎みます。最後は仕事を覚える気が失せてしまう、指導者側の自己満足に過ぎない教え方を戒めることで、OJTに費やす時間はかなり節約できるのです。それでは各々について、詳しく解説していきます。
会社によって期間や内容は異なりますが、新人にはまず基本的なビジネスマナーや、最低限の業務知識を、OFF-JTで教えます。それは誰かがまとめて、明確な責任を持って行いますし、新人も学校の勉強に近い要領で学べるので、概ね問題なく進みます。一方、現場に配属された後のOJTは、同じ会社でも職場や仕事内容、そして指導者によってばらつきが出やすいものです。そこで新人のコンスタントな戦力化に向けて、まず抑えておきたいのは、覚えにくい仕事はOJTで教えないことです。最初から高度な仕事を任せようとする指導者は、まずいないと思いますし、そんな常識的な話をするつもりもありません。ここで言う覚えにくい仕事とは、発生頻度が低い業務のことです。
新人にとって会社生活は色々と不安なものなので、まずは覚えるより慣れることが大切と言われています。それなのに、数か月に1回しか発生しない業務を教えられたとすれば、反復する機会が乏しいため、慣れるのはほぼ無理です。ただでさえ新人は覚えることが山積みなのですから。そこでまずは、毎日のようにやることが決まっている仕事を選んで教えます。受発注業務のような、日々更新される情報の書類作成などは、うってつけです。法人向けのWEBサービスなら、お客様のご利用状況データを集計する業務なども、向いていると思います。新人が現場に配属されるまでに、すぐ任せられる準備をしておけば、万全でしょう。
その準備も全てをマニュアル化しようとすると大変なので、大筋だけを抑えた上で、あとはしっかりメモを取らせることをお勧めします。さらに「昨日はどこまで教えたかな…メモに何て書いてある?」といった会話を重ねていくと、メモをして確認する習慣も身につきます。
社会人として駆け出しの新卒社員は、まだ報連相の習慣も身についていないため、無策のままでは納期遅れなどの事態に陥りかねません。この対策については王道で、新人にとって無理のある締切とボリュームの仕事を任せるのは避けましょう。要は気持ちに余裕を持たせるのです。例えば締切は着手から出来上がりにかかる時間を、想定の二割増しにするなどの工夫を施します。その上で、なるべく急いでくれるとありがたいと伝えるのです。すると概ね、できる限り前倒しで対応してくれますので、感謝の言葉を伝えてあげてください。すると自信が芽生えてパフォーマンスが向上し、仕事のスピードも早くなります。
次に進捗の報告については、ことあるごとに指導者から確認していると、煙たがられて意欲が萎えてしまいます。そこでお勧めなのは、朝一番にミーティングの時間を設けて、新人から伝えてもらうという方法です。業務中は行き詰まって助けてほしそうな雰囲気でもない限りは、放っておきましょう。翌日にどんな報告をするかを意識することで、それなりに自制心は働くものです。
先ほどの進捗確認でも触れたとおり、指導者が関与しすぎるのは、基本的に控えるべきです。朝のミーティングを行うにしても、今日任せる仕事について、変に事細かいアドバイスを朗々と伝えていたら、新人はやらされ感を覚えかねません。教えた内容に対する質問を、自分で考えてもらう方法をお勧めしたのは、そんな事態に陥るのを防ぐためでもあるのです。従って、OJT期間だからといって、いつまでも上から一方的に、課題を与える感じのままというのも、考え物です。朝のミーティングで報告が小慣れてきたら、次は今日やる仕事を本人に予測させてみてもいいでしょう。
教えたことの理解度を確認したい場合も、指導者が事細かに詰めようとすると、「ものわかりが悪いと思っているのか」という反感を覚えかねません。そこでお勧めしたいのが、教えた後に新人から必ず、質問を3つ出すように義務付けるという方法です。すると新人自身が、わかる部分とわからない部分を、自ら識別しようとするセンサーが働き始めます。結果として、理解度は高まりますし、指導者側も説明を必要最低限で済ますことができて、一挙両得です。私も研修では時間が許す限り、「質問があればお願いします」ではなく、「実践を想定した場合、腑に落ちないところがあると思いますので、仰ってください」と投げかけるようにしています。すると積極的なご質問を頂けます。みなさんもぜひお試しください。
いずれにしても努力しろと言えば「努力していないと思っているのか」。同期に負けるなと言えば「人を競走馬扱いするのか」。これらの上から発破をかける定番のセリフには、大方の新人が反感を覚え、やる気を損ねている可能性が大です。むしろ「そんなに無理しなくていい、自分なりでいいから」とブレーキをかけ続けられると、逆に「もっとやらせてほしいのに」という、自発性が芽生えたりするもの。日頃のOJTが実は単なる自己満足ではないのか、という疑問を持つことは、新人の成長と担当者の負荷軽減という、背反する課題の解決に向けた、はじめの一歩になりそうです。
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