新人研修を自社で行うメリットとデメリット
2023/01/31 更新
新人研修を自社で行うメリットとは?
最近は新人研修を外部委託する企業も増えていますが、新人研修を自社で行っている企業ではどのような点にメリットがあると考えているのでしょうか。新人研修を自社で行うメリットについて紹介していきます。
自社の方針に合った内容を教えられる
新人研修を自社で行えば、新入社員を自社の経営方針やビジョンなどに考慮しながら教育できます。また自社の業務内容に直結した研修を行えるため、新入社員が現場に入ってすぐに活躍できることも期待できるでしょう。
新人研修を外部に委託した場合、新入社員は社会人としての基礎力や、業種・業界全体で通用する一般的なスキルを取得できるものの、自社独自の方法を学ぶことは難しいです。
講師をする社員の成長につながる
新人研修を自社で行えば、新入社員だけでなく、講師を担当する社員にも成長の機会を与えられます。
講師を務める社員には主に以下の能力やスキルの向上を期待できます。
- プレゼンテーション能力
- コミュニケーション能力
- マネジメント能力
- 資料を作成するスキル
講師として新入社員の前で話すには研修の内容や構成の検討、資料作成など事前にさまざまな準備をしなければなりません。また研修では相手に理解してもらえるよう、工夫しながら話す必要があります。講師をする社員は新人研修の準備を行うことで多くのスキルを自然と取得できるでしょう。
コストを抑えられる
新人研修を外部に委託すると、2〜10万円程度かかります。また会場の規模が大きかったり、受講者数が多かったりすると、講師が複数人必要となり、コストが想像していたよりも割高になるケースも多々あります。
一方で新人研修を自社で実施すれば自社の社員が各種準備や講師を担当するため、講師費や会場費など、コストが新たに発生することは基本的にありません。
新人研修を自社で行うデメリットとは?
新人研修を自社で実施する際はメリットだけでなく、デメリットにも留意しておく必要があります。新人研修を自社で行うデメリットについても理解しておきましょう。
講師をする社員の負担が大きい
新人研修が実施される時期は一般的に3月下旬から4月です。年度末や新年度であるこの時期、社員は一年の内でも特に忙しく業務過多の状態になることがほとんどではないでしょうか。このような状況下で、社員を新人研修に充てる余裕がない企業も少なくないはずです。
また新人研修を任せられた社員は自分の仕事と並行して、研修の準備をしなければならないため負担の増大が懸念されます。講師をする社員にだけ負担が偏らないよう、社内全体での協力が必要です。
研修の質の確保が難しい
新人研修を外部に委託した場合、新入社員の教育に関するさまざまなノウハウを蓄積したプロが研修を担当することになります。新人研修について最新の動向を踏まえた、質の高いコンテンツの研修を実施してもらえることが期待できるでしょう。
一方自社で新人研修を実施すると、コンテンツの内容が限られたり、偏りがあるコンテンツしか提供できなかったりということも懸念されます。
新人研修の計画を立てる手順とは?
質の高い新人研修を実施するには細やかな計画を立てることが不可欠です。ここからは、新人研修の計画を立てる手順について説明していきます。
研修の目標を設定する
新人研修を実施することで、何を成し遂げたいのか明確にしておかなければなりません。例えば、新入社員に社会人としての基礎を取得してもらう、業務内容の大枠を理解してもらう、自社の経営方針や到達目標を理解してもらうといった目標が挙げられます。
新入社員が目指すべき姿を検討する際は、求める人物像や経営理念との整合性に注意してください。
また、それぞれの新入社員にどういった役割を期待しているのかを伝えることができれば、各自の目標が明確になり、努力の方向性が見えてきやすくなります。
習得スキルと研修時期を決める
新人研修は期間が定まっている他、スキルによって理想とされる取得期間が異なります。新入社員に各期間や各講座でどのようなスキルを取得してもらうのか明確にしておきましょう。
また新人研修の目標は入社前や入社後数カ月、現場への配属後などといったように、段階に応じて目標を立てることをおすすめします。段階的に目標を立てることでやるべきことがよりクリアになり、成果が実感しやすくなるでしょう。
指導内容や指導方法を決める
新人研修で指導する内容を検討する際は、新入社員が抱えている問題の洗い出しをまずは行います。そして指導内容のフォローや評価をパターン化してください。
また指導方法は業務内容などに応じて、使い分けることをおすすめします。指導方法は集合研修やOJT、オンライン研修などさまざまな方法があります。
育成計画のPDCAをまわす
新人研修は研修を実施したら終わりではなく、育成計画のPDCAをまわすなど、研修後の対応も不可欠です。
PDCAサイクルとは計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)の4つの言葉の頭文字から構成されている言葉です。計画、実行、評価、改善を繰り返すことで、管理業務を改善できます。
また新人研修を実施しても、新入社員が思っていたようには育たないこともあります。あるいは、新人研修の実施方法や内容などに改善点を発見することもあるでしょう。問題を発見し、改善していくことで、新人研修の内容の質が高まるほか、新入社員もしっかりと育つようになります。
新人研修を自社で行うのか、それとも外部に委託するのか、どちらが良い悪いということではなく、それぞれの特徴をふまえ、目的によって実施方法を検討しましょう。
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