苦労して採用した新人社員には、できるだけ高いパフォーマンスを発揮して長く活躍してほしいものです。そのためには、入社直後の研修が重要な役割を果たしますが、「どんな内容が効果的なのか分からない」「社内リソースが足りない」と感じている担当者も多いのではないでしょうか。
この記事では、効果的な新人研修カリキュラムの内容や、成功する方法について紹介します。
目次
新人研修では、第一に最低限のビジネスマナーや立ち居振る舞いなど、社会人としての「型」を身につけることが重要です。中途入社と異なり、新卒社員は社会人経験がないケースがほとんどです。したがって、ビジネスマナーをほとんど理解していないことが多いでしょう。
入社した後は、社内の上司や先輩社員をはじめ、取引先の顧客など多くの人たちと接することになります。取引先など外部の人にとっては、社員の印象がそのまま会社の印象となることも少なくありません。
新人社員であっても、外部から見れば他の社員と変わりません。基本的なビジネスマナーが身についていないために、自社のイメージダウンを招いてしまわぬよう、きちんと研修を実施しておくことが大事です。ビジネスパーソンならではの所作や言葉遣いを学ぶことは、社会人としての意識を高めることにもつながります。
職種や業種に関係なく、社会人として組織で活躍するためには、ビジネスにおける基礎的なスキルや考え方を身につけることが重要です。 新人研修では、まず組織で働く意識を持たせる必要があります。顧客の利益や品質を最大化しつつ、無駄なコストを抑えて自社の利益を上げるために、それぞれが果たすべき役割を理解してもらいましょう。 生産性を向上させるために必要なタイムマネジメントや、求められる結果を出すためのPDCAサイクルといった、基本的な仕事の進め方を学ぶことも重要な要素です。どの部署や職種でも使えるスキルを習得しておくことで現場での教育コストを削減でき、既存社員の負担を軽減することにもつながるでしょう。
新人社員のモチベーションや帰属意識を高めることも新人研修の大切な目的です。新人研修の中で、自社の事業理念についての理解を深めることで、自分も会社の一員であるという意識を高めることができます。 また新人社員の離職を防ぐためには、早い段階での適切なサポートが必要不可欠です。そのためには、分からないことや不安なことを相談できる雰囲気があるか、社内で孤立していないかということがポイントとなります。 充実した内容の新人研修を実施することで、上司との縦の繋がりだけでなく、同僚や他部署の社員との横のつながりを強めることができるでしょう。社内のコミュニケーションが活発になれば、業務もスムーズに進むことが期待できます。
新人研修のカリキュラムに含めたい内容として、ビジネスマナー、ビジネス文章・Eメールの作成や電話応対の方法、組織人としての考え方、企業コンプライアンスなどがあります。それぞれの項目ごとに詳しく説明していきます。
顧客や取引先と良好な人間関係を築き、ビジネスを円滑に進めるためには、正しいビジネスマナーを学ぶことが大切です。学ぶべきビジネスマナーとしては、身だしなみや言葉遣い、挨拶、立ち振る舞い、名刺の渡し方、報連相などがあります。
新人研修を成功させるポイントは、内容によって研修方法を変えることです。例えば、名刺の渡し方なら、ロールプレイングで実践すると良いでしょう。言葉遣いは、演習問題をこなして身につけます。挨拶や立ち振る舞いに関しては、講師が手本となり実演してみせるのがおすすめです。
新人社員は、取引先や顧客への案内状、社内会議のプレゼン資料、業務報告書といったビジネス文書を作成する機会が多くあります。ビジネス文書は、相手に伝わる文章で簡潔に伝えることが重要です。ビジネス文書の作成には、生産性の高い仕事に必要なエッセンスが詰まっています。 新人研修では、まず基本となるひな形を提示し、実際に参加者に作成してもらうと良いでしょう。作成した文書は講師が添削し、本人が間違っている部分を確認しながら修正することによって、ビジネス文書の正しい書き方についての理解を深めていきます。
電話対応や対面とは違うコミュニケーションツールとして、Eメールの書き方や便利な機能などについて学ぶことも必要です。具体的には、ビジネスメールの基本的な型を理解する、メール機能を理解する、相手に伝わりやすい文章を書く、メールを使用する場面を理解する、メールを利用する上でのルールや規則を学ぶといった内容が挙げられます。 新人研修では、講義だけでなく演習も取り入れるようにしましょう。メールの内容や書き方ひとつで会社の信用を失うこともあるため、実践を踏まえて十分に理解しておく必要があります。最近では、メールで顧客対応をする場面も多いため、新人研修の内容として軽視できない項目です。
電話応対は会社の印象を左右する重要な要素です。新人研修では、電話の受け方や取り次ぎ方、かけ方まで、ビジネスシーンを想定した電話応対スキルを学ぶ必要があります。電話応対の大切さ、基本的な言い回し・正しい言葉遣いなども理解してもらいましょう。 最近では固定電話に慣れていない人も多く、電話応対に苦労をする新人社員も少なくありません。新人研修では講義を行うだけでなく、参加者同士でロールプレイングを実施するのがおすすめです。電話応対は実務で新人が担うケースが多くあります。事前にきちんとスキルを身につけておくことで、スムーズに業務ができるだけではなく、新人社員の自信にもつながるでしょう。
新人研修の参加者は、初めて社会で働くという人がほとんどです。そのため、組織人としての自覚や役割意識、責任感などについて正しく理解し、組織の中で成長できるように促すことが大切です。具体的な内容としては、社会や組織のルール、組織の中での自分の役割、周囲とのスムーズなコミュニケーションの取り方などを学ぶことが挙げられます。 実践に活かすためにも、グループワークなどを取り入れ、参加者同士で積極的に意見交換する機会を用意すると良いでしょう。答えを押し付けるのではなく、さまざまな価値観に触れ、自発的に考えさせることが大切です。
企業コンプライアンスは、近年ますます重要になっているテーマです。データ改ざんなど業務上明らかな違反行為だけではなく、歩きスマホやSNSの使い方など、一見個人的なことであっても、自分が属している組織全体の責任になる可能性があることを理解してもらいましょう。 自社で起こり得るコンプライアンス違反を題材にした演習を取り入れながら参加者に分かりやすく伝えることが大切です。入社後に「知らなかった」ということがないように、新人研修を通してコンプライアンスについての意識を高められるようにしましょう。
新人研修は、ただやみくもに行うだけでは意味がありません。ここでは、新人研修の効果を最大化するポイントについて説明します。
受動的な研修だけだと本当に内容を理解しているのか分かりません。ロールプレイング、グループワーク、ケーススタディなど、実践的な内容を新人研修に取り入れるのがおすすめです。実際の業務に直結するテーマであれば、いざ現場に入ったときもスムーズに対応できます。
ロールプレイングやケーススタディは、電話応対やクレーム対応の研修で実施することで、より実践的なスキルが習得できます。グループワークは、さまざまな価値観に触れながら自分の考えを深められるだけでなく、コミュニケーションスキルを磨くことにもつながるでしょう。
基本的な新人研修を終えた後は、配属先で実務に取り組みながらOJTを実施するケースが多いのではないでしょうか。しかし、現場で適切な指導ができる人材がいないというケースも少なくありません。指導する上司や先輩社員にも相応のスキルが求められるからです。 実際に新人社員の指導にあたる社員は、OJTの正しい取り組み方からマインドセットまでしっかりと理解しておく必要があります。既存社員のOJT研修やリーダーシップ研修、コーチング研修などを新人研修にあわせて実施しておくと効果的です。
同じ新人社員でも、一人ひとりのレベルや適正などには個人差があります。内容やカリキュラムを一律に設定するのではなく、それぞれのレベルを把握した上で、必要な研修を実施することが大切です。
新人社員のレベルを把握する方法としては、採用した際にOJTを行う、内々定の段階で課題を提示するなどが挙げられます。Webサイト上で簡単に回答できるアンケートを行い、それぞれの仕事観について把握しておくこともおすすめです。
新人社員に対して高すぎる目標を設定したり、研修内容を詰めすぎたりすると、仕事に対するモチベーションの低下を招くことがあるため注意しましょう。
新人研修で基礎的な内容を終えた後は、配属先でのOJTだけでフォローするのではなく、職種別の研修プログラムを組むことも効果的です。
たとえば、営業職であれば、顧客とのアポイントの取り方やスムーズな商談の進め方、営業案件の管理方法といった、より実務に即した内容を学びます。ロールプレイングやグループワーク、ケーススタディなどを積極的に取り入れ、新人研修よりも実践的な内容を重視すると良いでしょう。配属先が決まったら、即戦力となるために仕事に活かせる研修を行うことが大切です。
新人研修は、会社にとって非常に重要ですが、社内で実施するには限界があるケースも少なくありません。ビジネススキルと教育スキルはまったく別物です。指導する立場の既存社員にも教育スキルが必要となります。 また、新人研修を行う際は、職種や部署に共通する内容から専門性の高い内容まで、目的にあった研修を行うことが大切です。自社の新人研修の内容やカリキュラムなどに課題を感じている場合は、外部の研修のプロに相談してみましょう。
≪階層別研修≫
新人研修プログラム
ビジネスマナー研修
ビジネス文書研修
ビジネスEメール研修
電話応対基礎研修
社会人基礎力研修
コンプライアンス基礎研修
中堅社員・リーダー研修プログラム
中堅社員研修
OJT研修
コーチング研修
現場のマネジメント強化研修
現場のモチベーション向上研修
リーダーシップ研修
ファシリテーション研修
ロジカルシンキング研修
交渉力研修
管理職研修プログラム 管理職基礎研修 評価者研修 管理職のタイムマネジメント研修 段取り研修 上級管理職研修
≪分野別≫
営業研修プログラム
事前準備研修
アプローチ研修
ヒアリング研修
プレゼンテーション研修
クロージング研修
女性営業研修
マーケティング研修
プロセスマネジメント研修
CS研修プログラム CS基礎研修 接遇研修 接客マナー研修 電話応対基礎研修 コミュニケーション研修 クレーム対応研修
≪オンライン研修≫
新人研修オンラインプログラム
営業研修オンラインプログラム
中堅社員研修オンラインプログラム
管理職研修オンラインプログラム
OA研修オンラインプログラム